理事長あいさつ
2018年6月
東京勤労者医療会は、1946年に開設され70余年の歴史と伝統をもつ法人です。
地域の方々や働く人たちの努力で、渋谷区に代々木診療所を開設したのが始まりです。
その後、代々木病院へと発展し、さらに1985年にみさと協立病院(埼玉県三郷市)を取得し、1993年東葛病院(千葉県流山市)、みさと協立病院との法人合同を行いました。
現在では東京、千葉、埼玉の3都県10区市町に3病院、10医科診療所、4歯科診療所、4訪問看護ステーション(サテライト7か所)、2地域包括支援センター、1看護専門学校、1看護小規模多機能型居宅介護を有する医療法人となりました。
こうした事業は、多くの地域・住民の方々とともに、19,000人の共同組織会員の方々に支えられて今日に至っています。
東葛病院(366床)は2016年5月、流山セントラルパーク駅前に移転新築し、千葉県北西地域の中核的病院として引き続き期待されています。付属診療所の訪問診療、内科、新たに開設した流山セントラルパーク駅前診療所での内科慢性疾患管理などを含めた診療機能を有しています。さらに、急性期医療、外科系医療や精神科医療を充実させ、卒後臨床研修病院、看護学校の実習病院でもあり後継者育成の地域医療センターとして発展しています。
みさと協立病院(180床)は高齢者や障害者のリハビリ、透析、精神医療を有する病院です。これから益々重要性をます高齢者医療や精神科医療にたずさわる医師の育成にも力を注いでいます。
代々木病院(150床)は、大学病院など集中する都内の地域病院として、保健予防活動から在宅診療、訪問看護を展開し、患者さんが安心してその人らしく豊かな生涯が送れるよう力を注いでいます。
日本のあらゆる分野にお金と力のある強いものだけが大切にされる、新自由主義経済が広がり、格差と貧困が多くの患者・利用者の皆さんを苦しめています。早期治療や治療の継続は誰もが望んでいる事です。しかし、日々の診療の中で医療機関の受診をひかえざるを得ない実態に直面し、医療従事者も大きな痛みを感じています。
東京勤労者医療会は、差別のない平等な医療を誰もが受けられるように、最も困難な人たちの立場に立ち、安心して利用できる医療と福祉の充実を目指しています。差額ベッド料も一切頂きません。これは憲法25条の基本的人権を尊重し、一人ひとりの生存権を守る取り組みとして大切にしているからです。私たちの医療活動を未来につなげる基本姿勢です。同時に、医療はサービスの提供者と利用者という関係でなく、患者さん、利用者さんと医療従事者との共同の営みです。
病院、診療所などすべての事業所が憲法をまもり、この理念をしっかり心にとめて、実践に生かし、患者さんや地域の方々と協力しながら、これからも暮しやすい社会を作っていきたいと考えています。
皆さんの暖かいご支援ご援助をお願い致します。
医療法人財団東京勤労者医療会
理事長 下 正宗