東京勤労者医療会 代々木病院 ヒューマニズムにもとづく医療・介護の実践
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代々木の窓 代々木病院の広報紙「くらしと健康」の御案内
■禁煙にチャレンジしましょう
現在、日本人男性の45・8%、女性の13・8%が喫煙者です。特に若い女性の喫煙率が増加傾向にあります。米国などと比べると2倍の喫煙率です。医師の喫煙率が高いのも特徴です。なぜでしょうか? 日本でもようやくこの1、2年で、タバコのパッケージに喫煙の害がはっきりと表示されるなどの改善がなされましたが、まだまだ禁煙教育が不十分だからです。

周囲にまで悪影響
 喫煙が健康に及ぼす影響をみてみましょう。
 長期に及ぼす影響として肺がんを初めとした他の多くのがん(喉頭がん、食道がん、咽頭がん、膵臓がん、膀胱がんなど)、肺気腫、慢性気管支炎、心臓病、脳卒中などの疾患があります。
 また、短期に及ぼす影響としては息切れ、喘息の誘発、胎児への害、不妊症などがあります。
 さらに、周囲に与える影響として、タバコを吸う親の子どもは、呼吸器系の感染を起こしやすく、喘息にもなりやすい、また子どももタバコを吸うようになる、未熟児が生まれやすい、などがあげられます。

やめられないのはなぜ?
 愛煙家のみなさん、禁煙への不安はありませんか? たとえば、禁断症状が怖い、失敗するに決まっている、太ってしまう、仕事がはかどらない、人生の楽しみがなくなってしまう、など。
 そんなことはありません。禁煙に成功した人は、こうした不安とは無関係です。禁煙に踏み切れない人の不安です。
 やめられないのは意志が弱いからではありません。簡単なテストをしてみましょう。
Q1 朝、目が覚めてから何分くらいでタバコを吸いますか?(5分以内の人は1点、6分以上たってからの人は2点)
Q2 一日に何本くらい吸いますか?(21本以上の人は1点、20本以下の人は2点)
 合計点が2点の人は、ニコチン中毒の「身体的依存」のタイプです。3点以上の人は喫煙に対して習慣性の強い「心理的依存」のタイプです。

禁煙成功のコツはあります
 上手に禁煙を成功させるコツがあります。
 まず大切なのは、なぜ禁煙をするのかをもう一度確認することです。禁煙の動機が確かなほど成功率が高いともいえます。そして、禁煙宣言をし、禁煙の開始日を決めましょう。節煙ではなく断煙で始めましょう。
 また、身体的依存の強い人は、ニコチンの含まれているガムやテープなどのニコチン代替療法を積極的に利用しましょう。禁煙外来を利用するのもいいことです。
 そして、あきらめないこと。失敗は成功の母、いちど失敗しても必ず成功します。あの時タバコを止めてよかったと必ず思います。
 さあ、禁煙にチャレンジしましょう。

■高脂血症の有無を調べる脂質検査 健康チェック豆知識(第8回)
 健診の血液検査に「脂質」という欄があります。血液中の脂質であるコレステロールや中性脂肪などの状態を調べる検査です。血液中の脂質が多い状態を高脂血症といいます。
 高脂血症は、動脈硬化の原因になるため、食事療法、運動療法などの治療が必要です。
 コレステロールには、肝臓から組織(動脈壁)にコレステロールを運ぶLDLと、組織(動脈壁)からコレステロールを肝臓に戻すHDLがあります。HDLが減った状態も、高脂血症と同じように治療が必要です。
 高脂血症を放っておくと、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、大動脈瘤、腎臓の障害、眼底の異常など、さまざまな合併症が出現します。
 遺伝的体質や肥満、食べすぎ、運動不足、長期の飲酒などが、高脂血症の原因となります。また、糖尿病のコントロールが悪かったり、腎臓病や甲状腺機能低下症も高脂血症につながることがあります。
 また、更年期の女性はコレステロール値が上がりやすいので、要注意です。
 子どもの高脂血症も増えているといわれています。
 食べすぎ、飲みすぎを改め、コレステロールの多い食品を控えめに。肉より魚を食べ、食物繊維をたっぷりとりましょう。そして、よく歩くことをおすすめします。
 心当たりのあるかた、もっと詳しく知りたい方は、「友の会保健教室」に積極的に参加されることをおすすめします。

健診課看護師長 薮下加代子

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